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コロケーション辞書、使ってますか?―「池上彰の新聞ななめ読み」をヒントに②

「コロケーション辞典をひきなさい」
「語源で考えなさい」

耳にタコができるほど英語の先生に言われたでしょう?え、そんなことない?じゃあ、通訳を教えている冠木先生が呼んでいると言っておいて。別に怖がることはありません。

コロケーション(con/l共にlocation位置する)とは相性のよい言葉の組み合わせ定番のこと。耳にタコができる、と言うけれど耳にイカができる、にはびっくりしますよね。わざとでなければこんなことは言いません。

どの言語でも優れたライティングには語源とコロケーションが大切。まあ、メイクや服のコーディネートのようなものです。このごろはコロケーション、語源が入っている電子辞書もずいぶん出回っています。「メニュー」ボタンで調べてみて。なかったらありがたくオクスフォード大学の無料オンライン辞書を拝借しましょう。

コロケーション辞書

語源辞書

さて、トランプさんは毎日言いたい放題なので、就任演説などはとうの昔のような気がしますが…池上さんはrestore its promiseを「約束を復活」とした日経、読売を「直訳」、毎日の「約束を守る」が自然だとしています。

私はこれには賛成できません。単語を置き換えただけのような日本語の訳文をながめ、ああでもないこうでもないといじってもそれは日本語の作文の練習。最後にはこなれた日本語になって当たり前。でももとの英文を離れてはもう訳ではない。「悪い」こなれです。

restorere(-し戻す)store(修理する)の意。レストランrestaurant体力修復所と兄弟の語源です。一度は壊れた、腹ペコになったことが伺えます。 

約束を「守る」ではこの「一度台無しになった」感が台無しです。

promisepro(前に)mise(遣わす)。相手の「前に」「月末に10万円返します」と書いて差し出すイメージです。 

さてpromiserestoreの組み合わせ、ちょっと珍しいのでは? 

promiseと動詞の組み合わせでコロケーション辞典をひくとgive, make, hold out, fulfill, honour, keep, break, go back on extract…などが出てきます。やはりrestoreとの組み合わせは定番ではないのです。

トランプさんがどれだけ意識的にコロケーションに挑戦しているかは存じません。ただ、翻訳者が非定番を定番に移して「自然でしょう?」なんていうのは自己満足。さて、どうしたら…?

たとえばこんなのは?

「約束を結びなおす」

「約束を再び結ぶ」

「展望を取り戻す」

 

「結ぶ」で日本語らしさを確保、「なおす、再び」でrestoreのニュアンスを活かしています。もっと飛躍できる気もするのだけれどね。

3つめの「展望」に驚いた?イヒヒ!もちろんわけがあるんですよ。

通訳、翻訳の楽しみは、橋かけは無理と思われた川岸に、橋脚を立てるポイントを探し出すこと、橋をかけること。コロケーション、語源は強力な味方です。

 

 

 

これじゃ「こなれ」る訳がないー「池上彰の新聞ななめ読み」をヒントに①

みなさん、今日は新聞読みましたか?
朝日では池上彰さんが新聞各社のトランプ大統領就任演説翻訳を比較しています。(朝日新聞 1月28日朝刊)。何回かこれをヒントにしてみます。

「こなれ」ているか「自然」かが池上さんにとってのポイントのよう。読み手の側に立てばごもっともな視点。

でもね、通訳、翻訳を学ぶひとたちの基準としては不十分。

たとえば、レストランでおいしい料理が出てくるのは当たり前でしょ?アマじゃないんだから。プロは素材選びや調理方法、器、インテリアにこだわってお客さんの「おいしい!」の瞬間まで隙なく最善を尽くすでしょ?お客さんは何がどうしておいしいのかわからなくてもいいの。でもシェフが味見して「なんかおいしい」なんて満足してたら、ダメだこりゃ。

順序にも意味がある

池上さんがおっしゃる「こなれていない」≒おいしくない、も原因はいろいろ。素材選び、調理手順…つまづき箇所はさまざまです。

主に採り上げられたのはほぼ出だしのこの部分。
We, the citizens of America, are now joined in a great national effort to rebuild our country and restore its promise for all of our people.

読売新聞の日本語訳は「なんともこなれていない」とご指摘。
―私たち米国市民は今、国を再建し、すべての国民に対する約束を復活させるための偉大で国民的な取り組みに加わっている。―

あらほんと。

どうしてだと思う?

意味のまとまり、イメージごとに番号を振りますよ。
①We, the citizens of America, ②are now joined ③in a great national effort ④to rebuild our country and ⑤restore its promise ⑥for all of our people.

読売では
①私たち米国市民は今、
④国を再建し、
⑥すべての国民に対する
⑤約束を復活させるための
③偉大で国民的な取り組みに
②加わっている。

あれまあ。

フルコースって、前菜→スープ→魚料理→口直しシャーベット→肉料理→デザートでしょ?

それが前菜→口直しシャーベット→デザート→肉料理→魚料理→スープになってしまいました。前半は女子の栄養失調ランチみたいですけどね。

読売訳が「こなれていない」原因は過剰な「番狂わせ」です。

ついでに調べたNHKも似たような感じです。
「私たちアメリカ国民はきょう、アメリカを再建し、国民のための約束を守るための、国家的な努力に加わりました。」
(なぜour countryがアメリカ?citizenもall of our peopleも国民?国家的とはどういう意味?)

どこもこんなレベル?と探してやっと見つけたのは山陽新聞。スタイルを感じます。
「米国の市民はいま、大いなる国家的取り組みに向け協力することになった。国家を再建し、全ての人が希望を取り戻す取り組みだ。」

繰り返しになるけれど、人間はイメージが浮かんだ順に言葉にする。その順序そのものも大事な情報。ひっくり返しは最低限で。そもそも英語と日本語は主語述語の概念が違います。わざわざひっくり返して律儀に「―がーです」なんて骨折り損。

イメージの順を守ると違うお話になってしまう…という人は英語の構造感覚=文法に弱みがあります。おさらいしましょう。

池上さんはrestore its promiseを「約束を守る」と訳した毎日新聞を「こなれています」と評価しておいでです。これには賛成しかねます。ここは私も唸ったところですが。

こなれにも良いこなれ、悪いこなれがあります。

それはまたこの次に。

Keep warm and stay well.

 

「英語と日本語は語順が違う」を疑うー通訳:トランプ大統領就任演説

なんだか芯から冷えますね。がまんしちゃだめよ、通訳者は鼻や喉を大事にね。

みんながそういうもんだと思い込んでわざわざ面倒にしていることなんて山ほど。でも通訳者を目指すならあと3回「なんで」「ほんと?」って考えてごらん。

たとえば 「英語と日本語では語順が違う」。「I love you」が「私はあなたを愛しています」、語順が違う、文化が違うと聞いたことない?

そんなのBullshit.(牛糞ではありません。牛糞はcow dungです)。

だいたい好きな人に「私はあなたを愛しています」って言わないでしょ。それ標準語書き言葉だし。話し言葉の方がよほど自然。「あたし好きなんだ、太郎くんのこと。」いけるでしょう?

人間はイメージが浮かんだ順に話す。通訳は話し手の頭の中のイメージ紙芝居ボックスを聴き手の頭の中に転送する。なるべく紙芝居の順をこわさずに。この転送に人工的な「現代標準語書き言葉」はあまり向いていません。標準語書き言葉で訳そうとすると主語、述語を気にして語順、イメージひっくり返し始める。しかも英語の主語を訳すとき「は」「が」をくっつける。英語と日本語では主語の概念が違います。「は」「が」つければいいものではありません。

だから標準語で訳すときは一工夫。「イメージの順」「深い呼吸」「骨導音発声」を心がけます。トランプ大統領就任演説、始めの3分ほど同通してみました。音声は動画の下のリンクからお聴きいただけます。

【私の通訳音声はこちら】

(YoutubeのABCの動画に勝手に音声かぶせるわけにはいきません。別ファイルとしましたが、背景にトランプさんの声、聞こえると思います。)

ほんとに便利な時代。通訳練習素材には事欠きません。腕が鳴ります!

ご希望の方には通訳道場お申し込みの前にお目にかかってお話伺っています(もちろん無料)。
お気軽にご連絡ください。

 

私が授業でスラングを重視しない理由

Are you nuts?を「あなたたちは木の実ですか?」なんて訳したらあなたがnuts。これ、「あんた気が変?」のような意味。

「え、こういうの面白いです。もっと知りたいです」

うん、気持ちはわかる。使えるとちょっと楽しいしね。でも授業では優先順位高くする予定はないな。

「下品だからですか?」

西洋の小鬼、ガーゴイル。なんだか恐くないですねえ。

西洋の小鬼、ガーゴイル。なんだか恐くないですねえ。

ううん、そうじゃない。通訳ともなればお上品ぶるより言葉の幅を広く持つことはとても大切。ただ、こういうスラングや若い人の言葉は変化が速い。nutsなんて昔からの言い方だけれど、すぐに古くなってしまうものも沢山。アメリカの日本語学校でアメリカ人の先生が一生懸命「ナウい」なんて教えていたら、噴き出しちゃうでしょ。ネットや映画の方が早いんじゃない?

それにね、そういう言葉はぜひ仲間から吸収してほしい。日本語でもそうだったでしょ。お母さんに「どこでそんな言葉づかい覚えたの!」と叱られたのは何とも楽しい悪ガキ仲間の言葉。そうやって大人をびっくりさせるのも楽しかったでしょ?

「悪い」言葉は蜜の味、仲間のパスワードみたいなもの。先生に習うなんて野暮もいいところ。どうぞ、親ごさんや先生の目の届かないところで仲間からごっそり仕入れてください。

息を呑むほど美しいものでなければ模倣するに足らない

息を呑むほど美しいものでなければ模倣するに足らない

さて、先生は何をするかというと…文化遺産のバトンタッチです。何がどんなに一時流行しようがしまいが、これを知ることは過去と未来への「責任」だ、といえることを優先します。

それを受け取った皆さんがどこへ出しても恥ずかしくない人になりますように。
突然エリザベス女王に出会ってもうろたえずにすむような。
そして、よくぞ異郷のことばを敬意をもって学んでくれた、と感動される人になりますように。

今夜(未明)のトランプ氏就任演説、気になります。アメリカ大統領の演説には受け継がれる、こだまし続けるフレーズがある。トランプさん、tweet(さえずる)しないでbark(吠える)ばっかりしているけど、どうなることやら。

 

一流とそれ以外、分かれ目は才能ではなく…

ヴァイオリンを弾く、というと必ず訊かれます。「小さい頃から習ってたの?」

はい!28歳のときから。

やってみてわかりました。こりゃ大した才能じゃない。2歳から始めてなくてOK!あの頃は田んぼでザリガニ引っ張ってて正解。

それでも続けるのはなぜ?

練習するほどに変化する感覚が面白くてたまらないんです。はじめはすべてあべこべ。意識することと忘れていいこと、力を抜くところと入れるところが逆。大変、不自由、みっともない。いくら本に書いてある言葉、先生のアドバイスをアタマで反芻してもダメ。練習するしかない。するとあるとき階段をひとつ登るような変化が訪れます。なんだ、こういうことか、あの言葉はこういう意味だったのか、と腑に落ちるときが。

おなじみダニエル・T・ウィリンガム教授が面白い調査を紹介しています。ヴァイオリンの腕を上げる決めてについてフロリダ州立大のアンダース・エリクソン教授が西ベルリン音楽アカデミーの協力を得て調べたもの。

エリクソン教授は論文要旨でずばり、こう書いています。

Many characteristics once believed to reflect innate talent are actually the result of intense practice extended for a minimum of 10 years.
先天的な才能を反映するとかつては信じられていたさまざまな特徴も、実は集中的な練習を少なくとも10年続けた成果なのだ。

エリクソン教授の要望で西ベルリン音楽アカデミーの教授は調査対象となる学生を指名、レベル分けしました。bestは国際的ソリストとしての活躍が期待できる学生たち。goodもそのつもりでやっているようだけれど教授陣の目には残念ながらそうは見えない連中。

そこにprofessional=世界的に知られるオケのメンバー、teachers=学校の先生も加えて4グループを比較しました。その項目は練習する時間帯、回数、曜日、昼寝のパターン、普段の睡眠パターンなど多岐に亘ります。

なかでも耳の痛い「因果関係」がはっきり見えたのは練習時間。

週あたりの練習時間をご覧ください。

Psychological Review 1993 Vol.100 No.3 363-406より

Psychological Review 1993 Vol.100 No.3 363-406より

累積はこちら。

Psychological Review 1993 Vol.100 No.3 363-406より

Psychological Review 1993 Vol.100 No.3 363-406より

つまり、学校の先生が20歳までかけて練習した分を、プロやソリスト有望学生たちは1415歳まででこなしているということです。

論文によればプロ、ソリスト組は「練習したつもり」の時間と実際の練習時間の差が少なく、good, teachers組ほど多めに見積もるそう。

ということは、実際の差はもっと大きいことでしょう。

Confirming our theoretical framework, the violinists in all groups rated practice alone as the most relevant activity for improving violin performance. Among all the activities rated highly relevant, practice alone is unique: A violinist can extend its duration at will because no external resources, such as availability of teachers or audiences, are involved.

我々の理論的枠組みを確認する如く、どのグループのヴァイオリニストも、演奏の腕を上げることと最も密な関わりがあるのは練習のみとしている。相当密な関わりがあるとされた活動のなかでも練習はユニークだ。練習時間は本人の意のままに伸ばすことができる。外からのリソースは何もいらない。先生の都合や聴衆の有無は関係ない。 

このコの響きを聞いたとき、私だ!と感じました。

このコの響きを聞いたとき、私だ!と感じました。

ウィリンガム教授はこのことが科学者にもあてはまるとしています。

The great minds of science were not distinguished as being exceptionally brilliant as measured by standard IQ tests…What was singular was their capacity for sustained work.

偉大な科学者たちは標準的なIQテストで測れるような意味で、ずば抜けて頭がよかったというわけではない。何より並外れていたのは、取り組み続ける力のほうだ。

さあ、もう先天的才能を言い訳にはできませんよ。

Another implication of the importance of practice is that we can’t be experts until we put in our hours. A number of researchers have endorsed what has become known as the “ten-year rule”: one can’t become an expert in any field in less than ten years, be it physics, chess, golf, or mathematics.

もう一つ、練習が大切であるということから言えるのは、エキスパートになるには時間をかけねばならないということだ。数多くの研究者がいわゆる「10年の法則」を支持している。ある分野のエキスパートになるにはまず10年はかかる。物理でも、ゴルフでも、数学でも。

どうです、大変そう?

私はこれも人間らしい自由のひとつだと思う。

馬は走る才能に恵まれている。鳥はさえずり空を飛ぶ才能に恵まれている。でも馬は空を飛びたいと憧れる?…こっそり練習したりする?鳥は馬みたいに走りたいと憧れる?地面をひた走って猫をびっくりさせたりする?。

人間は与えられた才能が乏しくても、憧れを抱き、練習できる…なんて自由なんだろう。

さて、これまでの私の雀の涙のような練習時間はご破算と願いまして…1年に300日、11時間練習するとしてあと何年で11000時間?おお、38.6年。ちと長い。2時間はちょっと…1.5時間なら24.4年。

もし今みたいな調子だと55年かかってしまう…生きていればそれはそれですごいけれど。

弾きたい曲は3曲しかないのですが…こりゃボヤボヤしてるひまはない!

 

「先生、キリスト教なのに神社のお守りですか?」

「え、先生がバッグにお守りって意外です。キリスト教の学校だったのに…?」

これね。これ福島の稲荷神社のお守り。陰陽道では桃って厄除けの力があるんだって。でもね、別にご利益が欲しいわけじゃなくてね…福島のしるしが欲しくてね。

黒、緑、桃色にも意味があり…

黒、緑、桃色にも意味があり…

そうそう、キリスト教は12歳のときから。でも仏教やイスラム教よりキリスト教が良いなんて思ったわけでなく、向こうが声をかけてきたとしか言いようがなくて…

このごろね、宗教との縁は縁日の屋台みたいだと思う。

縁日をうろうろしてたらたこ焼き屋のおじさんに店番手伝ってくれと言われた。うっかり手伝いだしたら夢中になった。たこ焼きも奥が深い。こだわりだしたらきりがない。究めることなんてできない。

おとなりはカルメ焼き屋さん。正直言って小さい頃気になっていたのはカルメ焼きのほうなんだけど…。おじさんは真剣、とてもいたずらでちょっとやらせて、なんて言えない。だいたいたこ焼きがまだ半端なんだから。ちゃんと買おう。お客さんが切れたら、なんでカルメ焼き屋さんになったのか聞かせてもらおう。

ともかく私の役割はおいしいたこ焼きを求めてくる人に応えること。カルメ焼き屋、金魚釣り屋なんてつぶしちゃえ、縁日全部たこ焼き屋にしちまえ、なんて思わない。

「結局、すべての宗教は同じ頂を目指しているんじゃないですかね」と外から言う人は、縁日をそぞろ歩きするお客さん。それもそれでいいと思います。どうぞ盛大にお買い上げ願います。どこかの屋台のおじさんに呼ばれたら、手伝ってあげてくださいね。

 

英語が話せれば世界が広がると思っている?

「ああ、英語が話せるようになりたい!」

なんでまた?

「だって世界が広がってグローバルに活躍できると思って。」

もう…どこの売り文句に鵜呑みにしてるのよ。

 あのね、英語は話せるだけじゃどうにもなりません。そんなところで止まっていたらイワシの群れのど真ん中。ほら、クジラが大きなお口を開けて近づいてくるよ。

 話せなくていいと言っているのではありません。そこで止まるなと言っているのです。

書けなくてはどうにもなりません。

 例えばアメリカの名門リベラルアーツカレッジはどこもライティングを重視しています。留学生には始めの段階でスピーキングのサポートがあることもあります。でもそのあとは本科学生と一緒にライティング・センターのお世話になるのです。たとえば内村鑑三も学んだアマースト・カレッジ。

2017-01-17 (2)

 

「いや、そこまでは望まないな…。海外旅行のときにもっと楽しめれば…」

 え、今なんとおっしゃいました?

 あなたに仕事で会いにくる海外の方たちは、選ばれて日本との懸け橋となった優秀な方たち。高校時代からライティングを叩き込まれているはずです。そんな人たちに選ばれているあなたにはもっと高望みがふさわしい。

それに海外旅行でちょっとしゃべって楽しい、というレベルなら6か月、8割独学でなんとかなる方法があります。(おお、DL用の小冊子をまだ書いちょらんかった)

さて、書けるようになるには読めること。読めるには聴けること。意外かもしれませんが、耳ができていないと無理して読むことになります。

そこでお勧めなのがAudible.アマゾンが運営するオーディオブック屋さんです。整った文章を耳から入れたら一石二鳥。

2017-01-18

まあ、あなたの人生の次の扉が本当に英語かどうかもう一度考えてみてもいいかもね。

それでもやっぱり英語に挑戦したいなら、今度は半端なこと言わずに頑張ってください。

こりゃもういいや、餅は餅屋、というお方はどうぞこちらへ。。

「ホテルに内定したけれど英語が心配で…」

大学4年生のAさんは外資系ホテルに就職内定。卒論も無事出せそうで何の心配もないのかと思ったら…

「英語が心配なんです。」

え、だってそれが強みだったのでしょ。

「でも、TOEICと仕事は違うと思うんです。」

えらいねえ、わかってるねえ。で、どう心配なの?

「いろいろ英語を使う場面はあると思うんですけど…」

やりながら覚えるんだっていいんじゃない??

「私、あ、だめだと思うと引きずっちゃうんです。」

律儀だねエ。じゃ一番避けたいのは?

「フロントで、外人のお客さんとお話が通じなくて、いらいらさせちゃって、行列になって、先輩からも叱られて…」

ちょっとちょっとずいぶん妄想が否定的。で、どうする?

「それを相談してるんです!何かいい本ありませんか?やっぱり語学留学したほうがよかったですか?先生、補習してもらえませんか?」

ちょっとちょっと、落ち着いて。

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本も留学も補習も保留!

だってあなたが働くのは皇居の前のあのホテル。さ、行ってみましょ。私は2時間くらいしか付き合えないけれど、あなた時間あるでしょ。3日くらい、柱の影からでもフロントを観察してご覧。どんなお客さんがきて、どんな困りごとがあるのか、実際にのぞいてごらん。そのときどんな言葉が使われているか、聴き耳を立ててごらん。それ、英語で言える?

それから本を探したり、辞書をひいたり、私に訊いたりすればいい。

高校時代までテストのための暗記は嫌いだった、って言ってたわよね。でも仕事の英語となるとあなたはどんどん吸収した。あなたは自分が人に勝つことにはあまり興味がない。でもきちんと人の役に立とうと思うと燃えまくるタイプ。

だから大丈夫。社会人になってからどんどん伸びる。

さ、ネガティブな妄想や教室でのお勉強は卒業して、一足早く現場に行っちゃおう!
こんなかわいい学生をつまみ出すほど大人はケチじゃないと思うよ。

大人もどんどん現場に行きましょう!情報を教師、教室が独占していた時代はとっくに終わっています。

 

 

「冠木さん考えるとき英語?日本語?」

よく訊かれるんです。
「英語で考えたり、寝言を言ったりするんだけど、『こんなもん?』という感じがして…」
その違和感は鋭い。
「え?冠木さんは英語で考えるの?」
NO
「じゃあ日本語?」
NO
「??? やっぱり何も考えてないんだ!」
おっと…その可能性もあるけど…。

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言葉で考えているのってサバイバルモードのとき。過去のやりとりを蒸し返していたり、苦手な相手に会う前に作戦立てていたり。これは考えているというより思い煩っている状態。スピードも遅い。

調子のよいときは言葉で考えていないんです。アタマの中に単語1つ転がっていない。
しいて言えばイメージや音楽のような「感じ」が瞬間的に顕れる。それが話し相手によって日本語で出てきたり、英語で出てきたり。自分でも「あれまあ、日本語だよ」「おやまあ英語だよ」と他人事のように聞いている。(今年はそこにフランス語が加わるのだ!)
自転車に乗るのと似ている感覚です。「右折するからペダルをゆるめてスピード落として、右手を引いてハンドルを傾けるぞ」なんて意識しません。すべて自動化されて自然です。
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「自動化=自分と一つになっている」動きは自然で美しいでしょう?
もちろん始めから自動化、一体化しているわけではありあせん。まず徹底的に意識、セルフモニターして繰り返す。いちいち考えながら自転車を漕ぐように。
同じことをぼけっと繰り返すのではありません。毎回微調整します。したくなるんです。
考えたり、寝言を言ったりするのに英語が出てくるのを喜んでいるようでは一体化が未完成です。
ところがこのレベルでもTOEICでは結構な点が取れてしまう。で、現場で困る。アタマの中で英作文なんかしていたら仕事になるわけがない。
きちんと一体化するにはまとまりのあるインプットが必要。ストーリーをまるごと正確に暗誦するのがおすすめです。聴く(+読む)+話すを全部やる。会話の場数増やしてもダメです。
大変そう?

そうね、やらない限りいつまでも大変そうに見えるでしょうね。でもやってみると意外や意外、雑念が消えて童心に帰るような心地がするもの。そして通訳も美しくなる。

Grasp the nettle.

あなたも何か「自分とひとつ」になるまで取り組んだものがあるでしょう?時間を忘れて夢中になったことがあるでしょう?ピアノ?サッカー?

まずその感覚を信じて下さいね。ご自分の物差しを大事にしてくださいね。

それやってみたい!仲間がいればなお心強い!という方をお待ちしています。