ヴィジョンとミッション、そしてパッション

「御社のヴィジョンをお聞かせください。」
「ミッションじゃなくてヴィジョンね。えーと…どっちがどっちだっけ?」
なんてこと、ありませんか?

日本語でこんなふうに説明しているブログを見つけました。なんと日本の名だたる企業のミッションとヴィジョンを20もリストしてもいます。

  • ミッション・・・使命、目的、企業の存在意義。会社がどんな社会を実現するのかをあらわしたもの会社内部に浸透させたい考え方で、企業の判断基準にもなるもの。
  • ビジョン・・・目標、方向性、行動指針。会社が組織としてありたい姿や、ミッションを達成させるための行動指針を示したもの。表向きに会社がどういうものかを示したもの

へえ。わかった?
まあ、慣行としてそういうものならそれはそれでいいのですが…

ミッションもヴィジョンもアメリカンビジネス以前にヨーロッパのキリスト教でたっぷり使われてきた言葉。ちょっとニュアンスが違う気が…

聖書でvisionを検索するとこれでもかというくらい出てきます。特に目立つのはダニエル書。預言者ダニエルがバビロンのネブカデネザル王の夢解きをしたり、カルデアのダリヨス王にライオンと共に洞穴に閉じ込められたり…と現代人の常識頭にはなかなか難しい、でも面白いお話です。

ギュスターブ・ドレの美しい聖書挿画集

And it came to pass, when I, even I Daniel, had seen the vision, and sought for the meaning, then, behold, there stood before me as the appearance of a man. And I heard a man’s voice between the banks of Ulai, which called, and said, Gabriel, make this man to understand the vision. So he came near where I stood: and when he came, I was afraid, and fell upon my face: but he said unto me, Understand, O son of man: for at the time of the end shall be the vision.Daniel 8:15-17 King James Version)

われダニエルはこの幻を見て、その意味を知ろうと求めていた時、見よ、人のように見える者が、わたしの前に立った。わたしはウライ川の両岸の間から人の声が出て、呼ばわるのを聞いた、「ガブリエルよ、この幻をその人に悟らせよ」。すると彼はわたしの立っている所にきた。彼がきたとき、わたしは恐れて、ひれ伏した。しかし、彼はわたしに言った、「人の子よ、悟りなさい。この幻は終りの時にかかわるものです」。(ダニエル書81517節 口語訳)

「vision」の訳が「幻」なんですねえ。幻というと幻視、幻聴、幻覚のようにたちまち消える儚げな絵空事に聞こえませんか?でも「vision」にその儚さはなくラテン語由来で「見たもの」という意味です。

「vision」にはこんな特徴が…

  • 人間が見ようとして見るのではなく、向こうから現れる。
  • 未来を告げる。
  • 理性、論理、経験則による理解を超えている。

なんじゃ、そんなもん役に立たない?

いや、そうとも言えませんよ。私はこんなふうに考えています。「天ではすでに実現しているが地上ではまだで、これから実現されるべきこと」。「天」では抹香臭いという方は「想念」「理想の世界」に置き換えてみてください。

天はあなたを選んでどんな光景、ヴィジョンを見せ、任せているのでしょう?

未来のヴィジョン実現のために行う活動がミッション(前稿のとおり「遣わされる」の意)。南アフリカのハウテン州で精神的外傷を負う子どものケアにあたる団体があります。ここのヴィジョンとミッションがまさにそのとおり。

ヴィジョンの実現にはパッション、心燃やさねばならぬことも教えてくれます。

Vision
Our passion is to ensure the optimal development of traumatised children in need of care.

Mission
From a Christian frame of reference, to care for, develop, empower and reintegrate traumatised children in need of care (as defined by the Children’s Act) and where needed, their families through appropriate care models and therapeutic programmes, to enable them to function independently and to contribute to society.

 

子どもたちのトラウマケアを担うエイブラハム・クリール・チャイルドケア